ヘルシンキのアート協会「Helsinki Urban Art」が現在、ロシア人反戦ストリートアーティストのための住居を東パシラ地区に開設している。
同協会は、フィンランド教育文化省の支援の下、フィンランドで自由に芸術活動を行ってもらうため、ロシア人反戦アーティスト7人をヘルシンキに招いた。ロシア人反戦ストリートアーティストの表現の自由を強化し、ロシア人の反戦の声を支援することで、平和を促進することを目的としている。同協会は昨年、フィンランドとロシアでアーティスト・エクスチェンジを行うプロジェクトを始動。両国間の協力関係を築き、芸術を発展させる目的があったが、今年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、プロジェクトの継続が危ぶまれる事態となった。
同プロジェクトのエグゼクティブディレクター、ヤーッコ・ブロムベルグさんは「私たちはこのプロジェクトを継続し、ロシア人反戦アーティストを支援したいと考えた。ロシアのストリートアートシーン全体は戦争を批判しているが、厳しい処罰があるため反対意見を公にすることが非常に難しい。私たちは国家を批判する代わりに、反戦アーティストとの文化的な協力を続けることが大事だと考えている」と話す。
5月にヘルシンキを訪れたロシア人反戦アーティストのアントニア・リエフさんは「世界中で現在、ロシア人の代名詞が侵略者または『戦争の支援者』となっている。一方、ロシアでは、私をはじめ、戦争に反対する多くの文化人が、裏切り者、外国のエージェントというレッテルを貼られている」と話す。