ヘルシンキ芸術大学の新校舎「Mylly」が4月、「コンクリートビルディング・オブ・ザ・イヤー2021」に選ばれた。
1970年から毎年、フィンランドのコンクリート建築や技術を称え、建設の促進を目的に開かれている同コンテスト。「コンクリートビルディング・オブ・ザ・イヤー2021」に選ばれた同建造物は、ユニークで緻密(ちみつ)な建築設計と上質な建設技術が評価された。「アモス・レックス美術館」「フィンランド国立博物館」を手掛けたヘルシンキの建築事務所「JKMM・アーキテクツ」が設計し、既存の建造物を「想像力豊か」に統合し、作品を通じて、当時は工業地帯で、現在は若者でにぎわうソルナイネン地区の歴史に敬意を表している。
審査員は「新旧共にリノベーションされたMyllyは、少なくとも100年は続く持続可能な芸術教育と文化が、コンクリート建造物と適合したことを表す興味深い一例。この建造物は、ギャラリーに簡単にアクセスできるオープンな公共空間である一方、作品制作のためのプライベートな空間も提供している」とコメントしている。
5階建ての同建造物の中心には太陽光が入る中庭があり、象徴的な大階段が設置されている。1階には、一般も利用できるギャラリースペースがある。