
フィンランドのテキスタイルブランド「フィンレイソン」が7月7日、使われなくなった電子機器を支払いに活用できる新たな決済方法を、公式オンラインショップに導入したと発表した。
ヨーロッパの家庭には、約3,000ユーロ相当の使われていない電子機器があると推定されている。リサイクルされているのは約15%に過ぎず、大半は家の中で埃(ほこり)をかぶったままになっている。それに対する解決策として、同社はポスティ(フィンランド郵便)協力の下、フィクサブリー社が開発した決済方法「Flip1(フリップワン)」を導入。顧客は不要になった電子機器で商品代金を支払うことが可能になる。このようなシステムは他に例がなく、同社は年内に複数の国で導入することを目指している。
同社事業責任者のユッカ・クルッティラさんは「不要な機器に新たな命を吹き込み、その価値を新たな買い物に生かすことで、本当の意味での循環経済が実現する。私たちはこれまでも責任ある製品と運営に取り組んできたが、Flip1はその次なる一歩となる。これはまさに、世界が必要としているイノベーションの一例。Flip1が顧客にも環境にももたらす利益に、私たちは心から楽しみにしている」とコメントする。
引き取りの対象となった機器は、ポスティの物流センターで検査され、物理的・技術的な状態が評価される。データは安全な方法で消去され、必要に応じて修理や整備が行われた後、中古品として販売されるという。故障しているものは部品として再利用され、使用できないものは素材としてリサイクルされる。