国際音楽教育学会「ISME」の国際会議が7月28日~8月2日、ヘルシンキ市内各所で開催される。
同会議は、音楽・芸術の教育と研究に焦点を当てる世界最大規模のイベントの一つで、2年ごとに開催。今年は「音楽教育における持続可能性の提唱」をテーマに、あらゆる年代の人々の生活における音楽・芸術教育の意義について議論・質問し、進むべき道を想像し、新たなパートナーシップを築き、考えを共有する場を提供するという。世界中から約1500人の音楽教育関係者や学生、研究者が参加する予定。
同イベントのホストを務めるヘルシンキ芸術大学のカーロ・ヒルデン学長は「私たちは急速な変化や危機、不確実性に取り囲まれ、人々の主体性、未来に対する楽観主義、そして人生に意味を見いだす能力が試されている。音楽・美術に関する教育は、希望に満ちた未来を可能にする文化的変革において、ますます重要な役割を担っている。この会議は、世界中の専門家が、この役割をどのように実践的に強化できるかを議論する重要な機会を提供する」と話す。
同大のヘイディ・パルティ教授は「芸術とその教育の必要性は、恐らくかつてないほど高まっている。芸術は共感的な交流や一体感の機会を提供するだけでなく、創造性や新しい思考パターンを開発するツールでもある。このイベントは、国際的な議論とネットワーク作りを刺激し活性化させることだろう」と期待を込める。
ISMEは1953年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)主導により、ベルギー・ブリュッセルで設立。世界約80カ国に会員を擁し、「音楽による体験は、あらゆる側面において、全ての人々の生活に欠かせないもの」という指導理念に基づいた活動を行っている。