ヘルシンキ市が出資するイノベーション企業「フォーラム・ヴィリウム・ヘルシンキ」が4月4日、ヘルシンキ・スオメンリンナ島で、人命救助ドローンのデモンストレーション説明会を開いた。
同イベントは「AiRMOUR」プロジェクトの一環で、ヘルシンキ市民や医療関係者などを対象に、人命救助ドローンの紹介とデモンストレーションを行ったもの。人命救助ドローンの用途や課題、今後の展望などのディスカッションを行った後、人命救助ドローンを使って事故現場へ医薬品を配達するデモンストレーションを披露した。
同社プロジェクトマネジャーのレンスケ・マーティンス=ハーティッカさんは「交通システムの悩みの種は、救急サービスの分野でより具体的になっている。特にアクセスが困難な場所や、一刻を争うような緊急事態では、その傾向が顕著。ドローンは交通渋滞に巻き込まれることもなく、時間の節約に加え、経費削減や二酸化炭素排出量の削減にもつながる。私たちの役割は、人命救助ドローンの可能性と課題に対する理解を深めること。ドローンを試しに使うためのサポートも行う」とコメントする。
「AiRMOUR」プロジェクトは、救急医療サービスの分野でドローンをいかに活用できるかを研究・促進を目的としたプロジェクトで、欧州6カ国の計13社のパートナー企業が参加。フィンランドでのパートナー企業は「フォーラム・ヴィリウム・ヘルシンキ」に加え、プロジェクト・コーディネーターを務める「VTT」や、「Robots Expert」などで構成される。同プロジェクトは現在までに、欧州の4都市で人命救助ドローンの説明会開催が決定している。