フィンランドの第一線で活躍するメタルミュージシャンが結成したチャリティーバンド「キブンカンタヤット（Kivunkantajat）」が3月7日、若者の孤独をテーマにした楽曲「テー・タンネ・タイバス（Tee tänne taivas）」を発表した。

　メンバーは、フィンランドの国民的バンド「ナイトウィッシュ」で活動していたマルコ・ヒエタラさんをはじめ、「バトル・ビースト」のノーラ・ロウヒモさん、ベーシストのニルス・ウルシンさんら11人で構成。この曲を通じて、大人に若者が抱える孤独に気づいてもらい、若者に「あなたは一人で孤独に苦しんでいるわけではない」というメッセージを届けたいと考えている。この曲のストリーミング再生や販売による売り上げは、フィンランド赤十字社の青少年シェルターに寄付される。

　同チャリティー活動の発起人、ニルス・ウルシンさんは「私は30年以上若者と関わってきたが、青少年シェルターの活動や、孤独を感じている若者が多い事実を知った時、何かしなければならないと思った」と話す。

　同赤十字社が発表した最新のデータによると、16～24歳の66％が月に数回以上、孤独を感じている。青少年の孤独とそれに起因する精神衛生上の問題は、若者の支援や、若者に一時的な宿泊施設を提供する青少年シェルターの日常生活にも反映されているという。

　同シェルター運営ディレクターのペンティ・サボライネンさんは「チャリティーのために結成された『キブンカンタヤット』が、この曲を通じて若者の苦しみを訴え、青少年シェルターの活動を支援していることをうれしく思う。この曲が、若者やその身近な人たちに『助けはある』『一人でいる必要はない』というメッセージを伝えられることを願う」と期待を込める。