フィンランドの日用品メーカー「フィスカース」が今夏、創業375周年記念イベントを開催する。
オレンジ色のグリップが特徴のはさみで知られる刃物メーカーの同社。現在は、「イッタラ」「ロイヤル・コペンハーゲン」「ウェッジ・ウッド」など、世界的に有名なライフスタイルブランドを傘下に持つグループ企業に成長した。同社は、フィスカース川沿いに製鉄所を設立して以来、欧米で最も歴史のあるブランド企業の一つとして、「時代を超越した機能的で美しい製品」をデザインしてきた。
ナタリー・アールストロム同グループCEOは「フィスカースは、装飾や不必要な飾り付けをするブランドではない。その代わり、私たちは必要不可欠なものに焦点を当て、細部に至るまでその目的を果たすようにしている。フィスカースをフィスカースたらしめているものに焦点を当てることで、私たちの伝統に敬意を表したい」と話す。
今年で3回目を迎える「フィスカース・ビレッジ・アート&デザイン・ビエンナーレ」は6月16日~9月1日、アートビレッジとして知られるフィスカース村で開催。同イベントのパートナー、ルオビ・プロダクションによる展覧会「A Surprise Guest」は、アーティストたちの手によって、フィスカース川沿いの旧穀物庫を「趣のある夏の別荘」に変身させるという。
キュレーターのシニ・リンネ=カントさんは「私たちはいろいろな意味で困難な時代に生きている。共に生きるためのもてなしや機会は多いに越したことはない。このビエンナーレが、こうした共同体のテーマとその重要性について、人々が立ち止まって考えるきっかけになれば」と期待を込める。
8月には、フィスカース・フェスティバル・オーケストラのコンサートがビルナス村で開催予定。クラシック音楽の第一線で活躍する指揮者や新進気鋭のアーティストによる演奏を披露する。10月31日には同社従業員が一堂に会し、その長い歴史を振り返り、会社を取り巻く地域社会に思いをはせながら、同社の誕生日を祝うという。