ムーミン・キャラクターズが8月中旬、ヘルシンキの書店「NIDE」の過半数の株式を取得した。
同店創業者のヨーセ・シーラさんとテルヒ・ヤースケライネンさんはこれまで通り、共同経営者として同店の経営を続ける。ムーミン・キャラクターズは出版社「Förlaget」も所有しており、その作品は同店で販売されている。
ムーミン・キャラクターズのロレフ・クロークストロムCEOは「これは、読書と社会における紙書籍の役割の両方を支援する一つの方法」とコメント。
シーラさんは「私たちは、『NIDE』に突然の劇的な変化を期待しているわけではない。しかし、私たちには今、紙書籍を支持して投資してくれるオーナーがいる。私たちは将来、紙書籍のより良い品ぞろえを構築し、ビジネスをより安定させ、私たちを取り巻く『読書』という文化を支えることに注力できるようになるだろう」と話す。
2015年12月にオープンした「NIDE」は、海外のアート書籍から、国内の小説、デザイン・ファッション雑誌、文房具を扱う。同店の書店部門は近年の高金利と、紙書籍の販売減少、消費者のオーディオブック・サービスへのシフトにより、経営難に陥っていた。2022年秋には、同店を救済するため、クラウドファンディング・キャンペーンも行われた。
同店はヘルシンキ中心部のフレドリキン通りと、カンピ・ショッピングセンターの「無印良品」内に店を構える。