ヘルシンキ・プナブオリで40年間にわたり大衆を魅了してきた老舗劇場「KOM-teatteri(KOMシアター)」が10月16日、2026年春にハカニエミに移転すると発表した。
旧拠点の老朽化に伴う大規模改修が必要になったことから、現在は各地の劇場や文化施設を借りて公演を行っているKOMシアター。新たな拠点は、フィンランドの不動産会社アンティローピ社が所有するハカニエミの歴史的建造物(Paasivuorenkatu 3, Helsinki)に決まった。
交通アクセスが良く、周辺には飲食店が集まる同建物は、これまでイベント会場として利用され、2024年にはヘルシンキ・デザイン・ウイークのメイン会場としても使われた。現在、劇場用に改装するための建築許可手続きが進められているという。
KOMシアターの芸術監督、スサンナ・アイラクシネンさんは「これからハカニエミがシアター街になる。ハカニエミの拠点は一時的なもので、今後の新たな劇場の構想を試すには最高の環境。アクセスの良い中心地で、市民や遠方の方々とも出会える場になると期待している。新しい劇場は、まさに『アートと生命力』に満ちた場所になるだろう。長年の観客の皆さんはもちろん、これまで来たことがないお客さまにも私たちの作品を楽しんでいただけたらうれしい」と話す。
新劇場内には一般市民も利用できるラウンジバーを設け、各公演前に営業する予定だという。